「科学的根拠」とは何か

トレーニング理論や栄養学など、実際に効果的かどうかを示すものとして「エビデンス」とか「科学的根拠」という言葉が使われる事があります。では何をもって「科学的根拠」と言えるのでしょうか?

科学の世界では、まず

  1. 研究者が実験をしてデータをとり、結果を論文などで公表
  2. 公表された論文に基づき、他の研究者が同じ実験を行い検証結果を公表
  3. そうして集まった複数の論文を集めてさらに研究者や権威のある機関などが分析を行う
    →メタ解析、メタ分析、等と言います

最後の3番目の「メタ解析」によって得られた結果が「エビデンス」として現時点での結論と言ってもいいのかな、という感じでしょうか。しかし新たな発見や研究によってその結論が覆される事もありえます。

2番目の検証実験では1番目と全く同じ「再現実験」や、異なる角度から行なう「反証実験」などがありますが、再現実験では必ずしも最初と同じ結果が得られるとは限りません(「スタップ細胞」の再現実験が世界中で試みられましたが誰も再現できなかったのは大きなニュースとなりました)。反証実験でまったく逆の結果も得られた、という事もありえます。

例えば「特定保険用食品」いわゆるトクホや「機能性表示食品」というのはご存知の方も多いと思います。これらは消費者庁が定める「栄養や保険機能に関する食品表示制度」に基づく表示で、簡単に言うと「機能性表示食品」は根拠はあるもののメーカー内の研究に基づいているだけなので1の段階、トクホなら国が検証・審査をして認められたものなので3の段階に近いということになると思います。